野焼き・輪地切り支援(野焼き支援ボランティア)

具体的な活動内容

九州を中心に、全国から都市ボランティアを募り、初心者研修会を義務付け、人手不足や高齢化によって、野焼きや輪地切りの持続が困難な牧野へ野焼き支援や輪地切り(防火帯づくり)活動に派遣しています。

市民ボランティアによる阿蘇の草原保全に向けた野焼き・輪地切り(防火帯作り)支援活動は、都市と農村・行政が連携し広大な草原を護るというユニークな活動であり、阿蘇千年の草原の歴史の中でも初めてのことであり、地元からの期待も大きく、社会的にも大きな反響と評価を得ています。

活動を始めた経緯・時期

阿蘇の畜産農家の減少、農村の高齢化や過疎化により、野焼きに従事する人が減少し、広大な阿蘇の草原が危機に瀕しているのを受け、1999年春、初めての野焼き支援ボランティアの初心者研修会を行いました。

最初は地元からも「自分たちも大変な作業なのに都会の人が進んでやってくれるわけがない」と言われ、行政からも「初心者研修会には50人集まればいいほうだ」とされていたのですが、実際の最初の研修会には290名の参加があり、地元から大変驚かれました。

活動の成果

2000年、財団のもとに『野焼き支援ボランティアの会』が発足。財団の活動会員と位置付けられ、代表1名、副代表2名のもと現在約900名(2020年度)の会員が登録している。

開始以来増加の一途をたどったボランティアの派遣要請には、財団の事務局だけでは対応が困難で、2001年にはリーダー制度が発足し、会員の約1割にあたる人数のリーダーの協力に大変助けられてきました。リーダーとは、野焼きなどの経験を積み、現役リーダーからの推薦を受け、更に役割や心得、救急救命など特別な「リーダー養成研修」を受講したボランティアです。年に3~4回活動内容や方針などを話し合う『リーダー全体会議』を行い、ボランティアの育成、指導、何より実際の活動の際にはボランティアを統率・サポートするという大変重要な役割を果たしています。

このような熱心なボランティアの皆さんの活動に地元農家の方も感銘を受け、高齢化と後継者不足に悩む地元からの要請も年々増加し、7牧野110名から始まった野焼き支援ボランティア活動は、今や年間70牧野述べ参加人数が2500名を超す一大事業となりました。現在、阿蘇全体の4割強の牧野にボランティアが入って、草原維持にかかわる様々な支援活動を行っています。

野焼き支援ボランティアの会 会則[PDF]

野焼き支援ボランティア紹介リーフレット


野焼き支援ボランティア紹介動画

2021年阿蘇野焼きムービー

※この動画は草原再生支えて拡充強化事業(熊本県)で作成しました

野焼き支援ボランティア~草原の守り人たち~

※この動画は多面的機能支払交付金事業で作成しました

阿蘇草原保全・再生に向けた様々な取り組み

近年、草原の価値や重要性が改めて見直され、草原保全・再生へ向けた様々な取り組みが行われています。阿蘇の貴重な草原環境を子供たちの世代に引き継ぐためには、様々な方が共通の認識を持って、長期にわたり連携していくことが求められます。このため、2005年12月に環境省を中心に、牧野組合や活動グループ、行政、研究者など103の個人および団体の参加により自然再生推進法に基づく「阿蘇草原再生協議会」が設立されました。現在257の構成員で構成され、草原保全・再生に基づく全体構想という共通の目標に向かって連携して活動しています。

また2010年10月には、阿蘇草原の多面的な機能を受益者である県民、国民が支えるという意思のもと、行政、経済界、学会、報道機関で構成する「阿蘇草原再生千年委員会」が発足しました。この委員会は阿蘇草原再生協議会、阿蘇地域の世界文化遺産への登録を支援し、草原再生募金の呼びかけやシンポジウムなどの開催で阿蘇草原再生の取組みを更に広める活動を行っています。

行政も草原の危機的状況に対し2012年に地域振興戦略「かばしまイニシアティブ」を打ち出し、これまでの農畜産、観光、環境行政による草原の間接的な支援から一歩踏み出し、ボランティアの拡充、野焼き支援活動継続と安全対策のための財源確保、草原再生事業への取り組みも進められています。

また2015年には、環境省と阿蘇市により『阿蘇草原保全活動センター』が建設され、草原に関わる様々な情報収集や学びの場の拠点となっており、阿蘇グリーンストックが、その運営を担っています。

このように草原再生のための大きな動きが高まっていますが、まだまだ多くの方の連携と協力が欠かせません。国民の貴重な財産である阿蘇の草原を何としても守り、次の千年に手渡すために、今後も行動し続けていきたいと思います。全国の皆さまのご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。